2008年03月10日

業(ごう)

 業(ごう)… 漢和辞典で調べると(漢字源)

・ぎざぎざとした歯止めについた台
・ぎざぎざとつかえて、苦労する仕事
・なりわい。生活のため苦労してする仕事
・報いを生じる元となる善悪すべての行い。


 『人間の業の肯定』を落語の本質だと言ったのが
立川談志です。

昨日の日曜、NHKのハイビジョン放送で正午から
「立川談志10時間スペシャル」が放送されました。
録画したのを、まだ一部しか見ていませんが、なかなか
面白そうな番組です。

 「笑点」という番組を企画して初代の司会者と
なった落語家、5代目小さんの弟子ですが、後に
落語・立川流の家元となり破門…。

 残念ながら、私が寄席通いをしていた頃は、すでに
談志が落語協会から脱会した後だったので、談志の
高座を聞いたことがありません。ラジオやテレビ、CD
だけです。

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 昨日は「芝浜(しばはま)」の高座があったのを
チラッと見ました。「芝浜」は3代目の三木助のが
好きです。三木助の「芝浜」とは全然違うのが談志の
「芝浜」です。業を前面に出した高座は、特に終盤は
迫力を感じます。三木助のあっさりした粋な「芝浜」
とは大違いです。

 業を極めるような演題として「黄金餅(こがねもち)」
があります。昭和の名人・志ん生が、まさに業を肯定する
「黄金餅」だったのですが、それに輪をかけたような
「黄金餅」です。でも志ん生のもフラがあってなかなか
味があり、どちらも大好きです。

 先代の可楽の「野ざらし」も良い口跡で聞き惚れるの
ですが、談志が演じると、また違った味が出てきます。

 談志は、また落語論が面白いです。最初に執筆した
現代落語論、もう40年以上前のものです。

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 昭和の名人が次々と逝き、自身も立川流の家元と
なった頃に書いた落語論其の二、これも読み応えが
ある本です。

 私の宝は、フジテレビで深夜放送された「落語のピン」
のビデオです。十数年前の談志の『人間の業の肯定』
としての落語が顕れていた番組でした。

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posted by student at 19:50| 日記