ありますが、敷居が高く、ほとんど作品を読んだことが
ないのが大江健三郎です。
大江健三郎の作品に、もっとも影響を与えた人物は
息子の光と言われています。小説は敷居が高いの
ですが、「人生の習慣」という短編集に収められている
講演「信仰を持たない者の祈り」の中で幼い頃の息子・光
とのエピソードが著されています。このエピソードが
好きで、新潮から出ているカセット文庫を購入して私の
宝物のひとつになっています。

大江光のCD,何度も何度も聞き入ってしまうCDです。
素朴と言うよりも朴訥とした音楽です。

Mのレクイエムという曲は、光が恩師の訃報に触れて
その深い悲しみを顕した曲だそうです。
「鳥の声を聞いたとき、それも一番最初に聞いて、
二番目の鳥の声が聞こえる間、自分の心にあった
ものが、私は自分としては、やはりある祈りみたい
なものだったと思います。」
“信仰を持たない者の祈り”より
光の悲しみ、大江の祈り… Mのレクイエムを聴き
ながら、思いを馳せました。